やほほ村

思ったことを書くよ

NFTって言うけど何がどうなってんだよ!?👶

いまやNFT市場は2兆円(NFT市場が2年で300億円→2兆円に急拡大したワケ 「保有する」だけではない、アート作品につけられた「価値」 - ログミーBiz)、周りにいる色々な人から「NFTは所有できる」、「NFTはこれから絶対くる」といった話を聞くワケ👶👶

そのたびに「へぇ😲」とか「う〜むよくわからんねえ??」と言って終わってしまっていたけど、今日こんな記事を読んだ。

これまで抱いてきた違和感がちゃんと言語化されているような感覚があるものの、一方でやっぱり自分がNFTについて何も知らないことを自覚させられました😭

というわけで、なんとなく話はできるようになっておきたいなという思いから、ちょっと真剣に調べてみようと思っちゃったのよ。というわけで、そのメモをここに乗せておくZE☆

今回の調べ学習の目標は、ブロックチェーンや関連技術を正確に理解するというよりも、それらが何をどうしているのかを定性的になるべく正確に理解することです。私自身、技術の話は技術を理解しなければウヤムヤになりやすい認識はありますが、今日のところはこれで許してもらってって感じです👶

 

用語の整理

用語が分かってないとどうにもならんのじゃ〜〜!(ノブ)

1. ブロックチェーン

1-1. 定義

これはもう色々調べた結果、とりあえず「誰にも改ざん(多くの場合は削除も)できないデータの連なりを、みんなで作成・共有する(そしてもちろんデータの追加もできる)技術」だと思っておけばいい気がするよ。

1-2. 改ざんも削除もできない電子データのすごさ

改ざんも削除もできないデータというのがどれくらい衝撃か分かりますか皆さん!?

ここで試しに、絶対に消えてほしくない画像データをどう保存すれば安全かを考えてみましょう👶

とりあえず自分のパソコンに保存する……まあいいでしょう。でもこれだけはやばいですね。パソコンぶっ壊れたらどうすんねんという感じです。それにちゃんと設定しないと間違って消しちゃうかも??

そこで次はバックアップをするって話になります。

手元のハードディスクかUSBメモリにぶち込んでもいいのですが、水没したりぶっ壊れたり、なくしたりするかも!?ちょっと不安ですね。もう少し確実なものはないでしょうか?

では、みんな大好きGoogle Cloudにあげましょう。いやいやでも冷静に考えると、

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グーグルに画像を消されるとき

こんなことだってありえるわけです。事実、グーグルは自社規約に違反するコンテンツであればドライブから削除するときちんと宣言しています。

不正行為のコンテンツに対する Google の措置
- アカウントからファイルを削除する。
- ファイルの共有を制限する。
- ファイルを閲覧できるユーザーを制限する。
- 該当するユーザーの一部の Google サービスへのアクセスを無効にする。
- 該当するユーザーの Google アカウントを削除する。
- 該当する法執行機関に違法なコンテンツを報告する。

Google 不正行為の報告 - ドキュメント エディタ ヘルプより

いやいやそんなヤバいコンテンツ保存しねえから……という方も、まあGoogleサーバーが諸外国の攻撃の対象になって終わるとかそういう可能性を考慮してみてください。

まあこんなふうに考えると、「誰にも改ざん・削除できないデータ」というのはすごいことが分かるはずです。

それを実現するのが「ブロックチェーン」であり、とにかく「誰にも改ざん(多くの場合は削除も)できないデータの連なりを、みんなで作成・共有する(そしてもちろんデータの追加もできる)」ことができるのです。そして、この「連なり」はチェーンと呼ばれます

1-3. ブロックチェーンは取引のデータの集まりなのか?

1点だけ注意すると、ブロックチェーンは「取引のデータ」を記録するものだと説明する記事をちらほら見ますが、ブロックチェーンというデータの連なりには様々なデータを追加することができます。例えばブロックチェーン上に直接画像を書き込んだり*1、webページを掲載したり*2といったことがされているように色々です*3

もし自分の犬の画像をブロックチェーンに保存したいなら下のチュートリアルからできます。犬の画像が半永久的に残ります、素敵です

そしてこのようにブロックチェーン上にデータを乗せることを、「データをMintする」といいます

ちなみに……

  1. この記事では扱わないけどコンセンサスアルゴリズムとか、ハッシュ値のチェーンとか、ブロックチェーンを実現する技術はめちゃ面白いので興味があったら調べてみてね。仕組みを調べると分かると思うけど、データの塊(ブロック)がハッシュ値と呼ばれる値を使って鎖(チェーン)のように連なっていくから、ブロックチェーンと呼ばれています
  2. これ以上の話は、もうなんかとりあえずこのサイト読んでおけばいい気がします👶

2. いくつかのチェーン

ところで、ブロックチェーンはあくまでも技術であり学ぶことが可能です。そして、これを読んでいるあなたもその気になればブロックチェーンを使って頑強なデータ群を作成できます!🎉例えば下の記事を見ながらPythonで自作できそうです。

「えっじゃあ世の中には、ブロックチェーンで作られたチェーンがたくさん存在するの!?」ってことになりますが、答えはYESです。チェーンは個人が家で作った実験用・学習用のチェーンから、いわゆる仮想通貨に使われているような大規模なものまで有象無象が存在します。

ただ、特に利用者が多いいくつかのチェーンがあります!そしてそれらにこそEthereumだったりBitcoinだったりといった、なんか聞き覚えのある名前が付けられているのです

「えっBitcoinって仮想通貨の名前では?」と思うかもしれませんが、ややこしいことにBitcoinという仮想通貨はBitcoinという名前のチェーン(いまは358GBくらいのサイズらしいです)を使って運用されています。ちなみにEthereumという仮想通貨はEthereumチェーン上で運用されていますが、Ethereumチェーン上にはEthereum以外の仮想通貨、例えばDogecoinなんかも存在しています。

なお、ブロックチェーンは1つのチェーンから枝分かれさせて別のチェーンを作ることも可能であり、オリジナルのEthereumチェーンから派生したチェーンも存在します(例: Ropsten, Rinkeby)。自分のテスト用にそのようなチェーンを作成することも可能です。

3. NFT

3-1. 定義(まだゆらぎまくっている印象を受ける)

でました、NFT。もう一番わけわかんないやつです。

とりあえず何の略か確認するところから始めると「Non-fungible token」なんて言葉が出てきます。日本語では「非代替性トークン」とかなんとか。

これだけではなんもわかんね〜〜〜!です。

そして実際に調べ始めるとかなり定義に揺らぎがあることが分かります。ただ、とりあえず基本になるコンセプトは「偽造不可な鑑定書や所有証明書に紐付けられているデジタルデータ*4だと思っておけばよさそうです。

ただ調べていると、NFTという言葉の指すものが文脈に依って「偽造不可な鑑定書や所有証明書」であったり、はたまた「デジタルデータそのもの」であったりと揺らぎがちな印象を受けます。

このようにまだ少しバズワードじみている言葉の意味をかっちりと定義すること自体を目的にしてもしょうがないので、ここでは一旦「NFTを所有する」とは具体的に何をどうしているのかを理解することを目指します

3-2. NFTを所有ってなんすか

絵画には贋作鑑定士がいるのに、電子画像データには贋作鑑定士がいません。もちろん、画像の加工痕跡を探すのがうまい人やそれを仕事の一部としている人はいるでしょうが、それは加工が絡んだときの話です。右クリックコピーされた画像データをオリジナルと区別することはできません

「NFTを所有する」と聞いて、……????となる人からするとここが意味不明なわけです。実際、オークションの末にNFTで所有権が確定した画像に対してパッと思いつくだけでも下記のことができます。

  • オークションサイトに掲載されているオークション対象画像を右クリックして保存する
  • そのあとデスクトップ壁紙にする
  • そのあと印刷して街中に貼る

とにかく電子データなんだからコピーなんて簡単に、それも完璧にできます。だからこそ、じゃあ所有ってなんだよって話になります。

さて、NFTを所有すると言ったとき、実際に行われているのは「誰が何を持っているという宣言がブロックチェーン上に埋め込まれた」ということです

これが技術的にどう行われているのかはまだ調べられていません👾  (死ぬほど単純だけどおそらく間違っているイメージでよければ、ブロックチェーンに「アメリカ在住のJohnさんは329.jpgを保有しています」という文言を書き込む想像をしてください!)

とにかく、誰が何を持っているという宣言をブロックチェーンが実現する「誰にも改ざん・削除できないデータの連なり」に埋め込むことで、誰もなかったことにできない所有権の宣言がなされるのです。

3-3. もう少し具体的なイメージが持ちたい泣

イメージを持つために少し具体的な話をしてみます。例えばOpenSeaというNFTの売買ができるプラットフォームがあります。音楽から画像、ドメインなど色々あるので見ているだけでちょっとおもしろいです☺

さて、ここに自分のアートを出品して売れた瞬間*5、それが作成者や所有者の情報とともにEthereumチェーンにガリガリ書き込まれます(チェーンは世の中にたくさん存在しますが、OpenSeaはEthereumのチェーンを利用しています)。

すると、Raribleという他のNFTマーケットでも自分の作品が、作成者や所有者の情報とともに表示されるようになるのです。これはRaribleもまたEthereumチェーンを使っているからです

下記のOpenSeaによる説明がとてもわかり易いです。OpenSeaやRaribleといったNFTマーケットプレイスは同じEthereumチェーンに通じた異なる窓でしかないのです

Think of the Ethereum blockchain as the gallery where your artwork is hanging. OpenSea is one window looking into the gallery, Rarible is another. You can sell the item from either window and it will go to the first buyer who meets your terms, but once it's sold through one window, it's gone and you can't sell it again through the other.

https://support.opensea.io/hc/en-us/articles/1500003489742-Will-my-NFTs-be-visible-on-other-platforms-such-as-Rarible-

めちゃくちゃ余談ですが、同じ作品を複数のマーケットプレイスで出品することは禁止されていないそうですが、信頼を損なうのでやめておいたほうがいいらしいです。NFTアーティストを目指す皆さん、注意してくださいネ。

3-4. えっじゃあ所有って、所有権が合意されているに過ぎない??

けっきょくのところ所有とは「何かしらのチェーンに所有者の名前が書き込まれていること」になります。

これは現実世界において一般にイメージされる所有とだいぶ事情が違いそうですネ。例えばみんながそのチェーンをどうでもいいと思えば、「所有してるよ」なんて言っても誰もきいてくれなくなるわけです。

しかし、いまのところはみんな所有権を所有権として扱って、NFTアートと呼ばれる電子データも高値で取引されているってことです。

これはまさに、冒頭の記事でも触れられているところではありますが、電子データの所有権はいまのところ本質的に「信仰の問題」になっていそうだと私が感じる所以です👶 (別に悪いとか良いとか言っているわけではないです!!!!)

特にソシャゲなんて所有権をゲームの運営に認めて貰うだけの話に過ぎないのでサービス終了したら何もかも無くなる、というのはブロックチェーン勢のポジショントークとしてたまにあるが、ブロックチェーン上に所有権を置いたら永劫のものとなると信じているのならそれは単にあなたがゲーム運営者ではなくそのブロックチェーンを信仰しているだけに過ぎない、信者から異教徒は狂気に見えるものである。

NFTとメタバースについて思うこと - Software Transactional Memo

3-5. でも電子データだからこそできることもある

所有については「お前(ら)がそう思うんならそうなんだろう、お前(ら)ん中ではな」状態のNFTでした(し、そうは言っても現実の世界における「所有」とは何なのかについても、議論は必要だと思います)👶

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有名なやつ

しかし、電子データだからこそできることもあるのです!それはprogrammabilityと呼ばれ、NFTに紐付けたプログラムをチェーン上にセットできることを指します。

よく言われる例として、NFTの転売が行われた際に作成者へ自動で売上の一部がロイヤリティとして入るようにするといったことがあります。

ただ理論的にはもっと色々なことができると言われています。天候やスポーツ試合の結果を外部から取得し、それをトリガーとして何か処理を実行するようなアイデアもあるようです。このあたりは個人的にとても気になります😲

A NFT can change and adapt over time. It can be programmed to respond to triggers or actions taken by the owner. In addition, it can even respond to external triggers like the weather or the score of a game. What this ultimately accomplishes is providing the owner more reasons to own it. The possibilities for what these NFTs can be programmed to do are endless.

NFT 101 — GigLabs

4. メタデータ

4-1. 定義

ブロックチェーンの説明の際、ブロックチェーンに直接画像やwebページを書き込めると話しました。ではNFTマーケットプレイスに出品されている膨大な量のNFTアートはブロックチェーンに全て書き込まれているのでしょうか?

でももしそうだとしたら、めちゃくちゃデータサイズが大きくなってしまいます。チェーン全体で途方も無いサイズになってしまえば、それを扱うことも難しくなるでしょう。例えばEthereumチェーンには仮想通貨Ethereumの情報なども乗っており、NFTアートを少ない情報サイズで扱う良い仕掛けが必要になります。

そこで考えられたのがメタデータをチェーンに乗せるという発想です。

メタデータとは「アートそのものではなく、それに関する情報」のことです。例えばアートの作者、所有者、作成日付など。そして、NFTアートをチェーンに乗せる際、多くの場合はアートそのものではなくアートが保管されているアドレス(URL)がメタデータの一部として登録されます

要するにチェーンの上にはアートそのものは存在せず、作者名やアートのURLといったメタデータがあるのみで、OpenSeaのようなプラットフォームではそれらのメタデータを基にNFTアートを再生しているだけなのです。

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OpenSeaによるメタデータの解説画像*6
右上のプログラムを作動させることで右下のメタデータが読み込まれる。チェーン上に存在するのはあくまでも右上と右下だけであり、OpenSea上で閲覧される左半分のデータはチェーンから呼び出した情報を基に再生されたデータに過ぎない

ちなみにアートの保管に使われているIPFSという技術も非常に興味深いです。保管されているコンテンツに変更が生じればそれがアドレスにも反映される、すなわちコンテンツとアドレスが完全に1対1対応するような技術のようです(あんまり知らないので鵜呑みにしないでね)。

とりあえずIPFSのところだけ引用しておくから、知りたい人はぜひ下の記事を読んでみてください!

しかし、IPFSは発想が逆で、コンテンツごとにIDが割り当てられるような仕組みになっています仮に少しでもデータが変更されるとURLに当たるIDが変動します。つまり変更前と後のデータは全く別物としてインターネット上に残ります
NFTを発行する現場ではIPFSのこの性質を利用して、NFTと紐づけたいコンテンツのデータをIPFSにアップロードし、割り当てられたIDをトークンのメタデータの保存先として指定してブロックチェーンに保存します。こうすることで、コンテンツのデータが改ざんされることを防ぐことができるのです。

 

おわりに

さて、今回はこんなところです👶

本当は用語の整理だけじゃなくて、実際の事例(謎の猿の絵の会BAYC、テニスコートの分割宝くじなど)も見ていきたかったんだけど、ちょっと長くなって疲れたので気が向いたらまた書きます!✌

なお、web3.0に興味ある人はこの記事で言ってることを踏まえた上で、下記の記事を読んでみるといいかもと思いました☺

*1:

news.yahoo.co.jp

*2:

zeronet.io

*3:Ethereum(「用語の整理」セクションの2「いくつかのチェーン」で説明)のチェーンにやばめのデータがどのくらい書き込まれているかを調査した論文も存在します。

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_action_common_download&item_id=192217&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1

*4:

www.sbbit.jp

*5:プラットフォームによっては、出品した瞬間というところもあります

*6: